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SDGs for All

SDGs for All is a joint media project of the global news organization International Press Syndicate (INPS) and the lay Buddhist network Soka Gakkai International (SGI). It aims to promote the Sustainable Development Goals (SDGs), which are at the heart of the 2030 Agenda for Sustainable Development, a comprehensive, far-reaching and people-centred set of universal and transformative goals and targets. It offers in-depth news and analyses of local, national, regional and global action for people, planet and prosperity. This project website is also a reference point for discussions, decisions and substantive actions related to 17 goals and 169 targets to move the world onto a sustainable and resilient path.

|世界人道サミット|高い期待に応えられず

【イスタンブールIDN=ロドニー・レイノルズ】

2012年に国連の潘基文事務総長が提案してイスタンブールでようやく開催された初の世界人道サミットは、150カ国以上で2万3000人との協議を4年にわたって積み重ねてきたにも関わらず、高い期待に応えることができなかった。

潘事務総長は開会のあいさつで「これは21世紀の国連の集まりです。」と代表らに誇らしげに語った。しかし、5月24日まで2日間の日程で開催されたサミットは、意義のある資金を生み出すこともできず、期待に反して首脳がこぞって欠席した国連五大国(英国・米国・フランス・中国・ロシア)からの全面的な政治的支持を得ることもできなかった。

英国・米国・フランスに加え、その他のG7諸国であるカナダ、イタリア、日本の首脳らも、世界人道サミットには参加しなかった。唯一、ドイツのアンゲラ・メルケル首相だけがイスタンブール入りし、世界の先進民主主義7カ国を代表した。

明らかに失望の色を隠せなかった潘事務総長は、この最も困難な状況においても、強気なことを口にせざるを得なかった。「しかし、安保理5常任理事国の指導者らが、世界人道サミットに欠席したからといって、行動しないことへの言い訳にはなりません。」

潘事務総長は、G7の中からドイツの首相しか参加しなかったことへの「失望」を表明した。G7首脳らは5月26日から27日に日本で主要国首脳会議伊勢志摩サミット)首脳会合を予定しており、ここには国連事務総長も日本政府のゲストとして参加することになっていた。

世界人道サミットはまた、難民問題について話し合うために9月19日にニューヨークで開催される世界の指導者らによるハイレベル会合に向けた「重要な第一歩」とされていた。

それでも、世界人道サミットには173カ国が参加し、そのうち首脳が参加したのは60カ国で、ほとんどは途上国であった。

サミット最大の成果は、世界で最も緊急の問題の一つである人道的危機に焦点が当てられたことだった。これは、増加する軍事紛争と増大する自然災害によって引き起こされているものであり、世界で1億3000万人近い人々が住むところを追われ、難民か国内避難民(IDP)の立場に追いやられている。

国連によれば、もっとも深刻な人道的危機は、イラク・南スーダン・シリア・イエメンなど、中東とアフリカで発生している。

サミット2日前にカタールの首都で開かれた「ドーハ・フォーラム」で潘事務局長は、「世界中で窮地に追いやられた人々がいみじくも『ヒューマニティー(他人への思いやり・慈悲の心)はどこに行ってしまったのか?』と問うています。」と語った。

「資金提供の呼びかけを行っていますが全く足りない状況です。連帯の精神はどこに行っしまったのでしょうか?」と潘事務局長は問いかけた。

現在進行中の危機を緩和するために重要な役割を果たしているトルコは、世界人道サミットの会場として、おそらく最も適切な開催地だっただろう。2011年に始まった内戦によってシリアから逃げてきた500万人の難民のうち270万人が現在トルコに在留しており、同国は世界最大のシリア難民受け入れ国となっている。

国境の向こうのシリア北部では、約400万人が国境越えの救援物資の配布に依存している。しかし、シリア難民と彼らを受入れているコミュニティーの支援に今年必要な資金のうち4分の1しか、これまでに集まっていない。

「海外開発研究所」(ODI)のサラ・パントゥリアーノ所長は「世界人道サミットでなされた公約は、実質においてもまた熱意という点においても期待外れであり、これまでになされた誓約がいかにして前進し現実のものになるかについて、ほとんど明確なものがありません。」と語った。

パントゥリアーノ所長は、「サミット会期中に一部ではきわめて意義深い取り組みも始まりましたが、サミット自体は、組織的な人道援助システムの中核にある主要な問題に対処する機会を逃すことになってしまいました。」と語った。

さらにパントゥリアーノ氏は、「人道支援の中心に民衆を据えるべきとの議論が散々されてはいますが、主だった当事者が、危機的状況の中で必死に生き延びようとしている人々のために、自らの組織の利益は後回しにしようと考えている形跡は見当たりません。」と指摘した。

他方、人道的危機の問題に活発に取り組んでいる人権擁護団体のひとつ「アクションエイド」は、世界人道サミットで女性の声がほとんど聞かれなかったことに「失望している」と語った。「この問題を論じるのが明らかにほぼ男性ばかりであったことは、極めて残念です。」と、アクションエイド「国際人権プラットフォーム」のミシェル・ヒジェリン共同議長は語った。

もし国際的な人道支援システムありのままの姿を鏡の前に映し出ことができたとすれば、根本的な変革が必要であり、男性支配の権力基盤を変革する緊急の必要があることが見て取れるだろう。「世界人道サミットで僅かに設けられたジェンダー平等を議論できる空間を無視してしまえば、このサミットが単なる『おしゃべりの集まり』や単に紙の上に書かれた『人道のためのアジェンダ』以上のものであるという説明はほとんど信憑性のないものになってしまいます。」とヒジェリン共同議長は語った。

このように、国連事務総長が「交渉の場に多くの声をもたらすことがきわめて重要だ」と主張しているにも関わらず、実情は大変厳しい状況にある。

ヒジェリン共同議長は、サミット前に、「女性には、単に保護される存在というだけにとどまらず、平和をもたらす主体という、重要な役割があります。」と語っていた。

国連によると、世界人道サミットには少なくとも2つの積極的な成果があった。

いわゆる「脆弱20カ国」(V20、Vulnerable 20の略)の財務相会議は、食糧農業機関(FAO)国連人道問題調整事務所(OCHA)国連開発計画(UNDP)世界銀行などの国連機関とあらたなグローバル・パートナーシップを立ち上げた。

このパートナーシップの目的は、主に気候変動によって生じる将来的なリスクへの必要最低限の対処能力を2020年までにつけるために、20カ国の能力を強化することにある。

国連はまた、ビジネス界と協力して、危機的状況における企業関与促進のためのグローバル・ネットワークを構築しようとしている。物資の事前集積や、防災への資源・知識・専門能力の提供といったことが考えられている。

国連によれば、①紛争を予防し終息させるグローバルなリーダーシップ、②人道規範を護持する、③誰も置き去りにしない、④人びとの生活を改善する-援助の提供からニーズの終わりへ、⑤人道への投資、という「人道への課題」の5つの主要な責任が人道サミットでは再確認された。

恐らくこの最後の言葉は、元国連難民高等弁務官ニューヨーク事務所長のピエール・ベルトラン氏に由来するものだろう。ベルトラン氏はかつてこう語ったことがある。「しかし、最終的には、国連安保理において人道支援活動の実行者たちによって何度も繰り返されてきた前提に誰もが行き着くことだろう。すなわち、人道危機に対する人道的解決策はないのである。唯一あるのは、政治的解決策のみなのだ。」 (05.22.2016) INPS Japan/ IDN-InDepthNews

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