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SDGs for All

SDGs for All is a joint media project of the global news organization International Press Syndicate (INPS) and the lay Buddhist network Soka Gakkai International (SGI). It aims to promote the Sustainable Development Goals (SDGs), which are at the heart of the 2030 Agenda for Sustainable Development, a comprehensive, far-reaching and people-centred set of universal and transformative goals and targets. It offers in-depth news and analyses of local, national, regional and global action for people, planet and prosperity. This project website is also a reference point for discussions, decisions and substantive actions related to 17 goals and 169 targets to move the world onto a sustainable and resilient path.

|キューバ|臨機応変に経済のワザを磨く若者たち

Credit: Julia Rainer | IDN-INPS【トリニダード(キューバ)IDN=ジュリア・レイナー】

キューバでもっとも人気のある観光地の一つであるトリニダードは、時が止まった場所であるかのようだ。少なくとも、毎年世界各地からやってくる数千人の観光客は、そう信じるように仕向けられている。

コロニアル風の教会と荘厳な邸宅の数々が数世紀にもわたって街の守りとなり、まるで時間が止まったままであるかのごとく、美しく復元された。実際、この美しい街は、それを取り囲むサトウキビのプランテーションとともに、1988年にユネスコの世界文化遺産に指定された。

何も変わらないというのが、トリニダードの独特の魅力の一つだ。そしてこれは、キューバの観光戦略全体について言える考え方である。

近年では、カリブ海の中部に位置するこの島嶼国家(=キューバ)を訪問する人びとが多くなってきた。というのも、数十年に及ぶ孤立と、フィデル・カストロ国家評議会議長が率いた社会主義的な経済体制のために、キューバはまるで「タイムカプセル」国家のような状態に留め置かれたからだ。

他の中米諸国に比べて低い犯罪率、そして、安定的な(あるいは保全された)政治状況は、観光目的地としてのキューバの魅力を一層引き立てている。

キューバに対する米国の制裁が緩和され、米国人観光客がますます同国を訪れるようになってから、かつて「外れもの」国家であったキューバは新たな高みに上り、国民所得の多くを観光を通じて手に入れるようになった。

2016年には初めて、400万人以上の観光客がキューバを訪れた。この年には、北米からの観光客が45%、欧州からが33%、ラテンアメリカから16%、それぞれ増加した。

しかし、キューバはジレンマに直面している。「何も変わらない」様子を見るために観光客が押し寄せている現実がある一方で、こうした現状に対処するために、政府は、革新や変化、進歩を必要としているからだ。

さらに、資本主義国からの数百万人の入国を許しながら、社会主義経済を完全に維持することは難しい。

キューバは「眠れる美女」のように孤立から目覚め、社会主義と資本主義の両方の影響を受けた混合体制の中にある。

観光客が常にアイフォンを見せつけ、その他の新しい機器をいじっている様子に直面しているキューバの人びとは、変化を求め始めた。そして、こうした動きの最先端にいるのが、若者たちである。

わずか数十年前、多くのキューバ人が国内で成功を収める可能性はほぼないものと考えていた。しかし今や、若い世代の多くが、新たに到来した進歩がこの国をどこへ導いていくか見たくてしょうがないのだ。

ライハン・アランゴ・アルフォンソさん、カルロス・アルベルト・アロンゾ・ダフレイ(カルリトとして知られる)さん、ローラ・ベイラントさん、イリエン・モヘさんの4人は、トリニダードに住む若い起業家たちで、勇んで事態を打開しようとしている。

彼らは最近、伝統的なキューバの都市で多くの観光客が見たがっているものとは対極にあるようなカフェバーを街の中心部にオープンさせた。流れているのはサルサやレゲエではなく欧米のエレクトロ音楽であり、集まっているのは地元の人々や観光客である。

人々の目を引くこの場所は、ベルリンのおしゃれな街角やニューヨークのボーホー的な地区からちょっと立ち寄って入った場所であるかにみえる。椅子が天井からぶら下がり、店の共同オーナーのローラが作った独自の芸術作品が、観光客が足を運ぶ何の変哲もないこの店に所狭しと並べられている。

キューバの出自を示す唯一のものは、出版された革命家チェ・ゲバラの日記だ。テーブルの上のブライダル雑誌の上にそれが置かれているのを見たら、異論を唱える人もいるかもしれない。

数年前だったら、経済活動に対する政府の厳しい規制があったために、こうした店を開くことは不可能だったろう。店を所有するという経験は、多くのキューバ人にとって比較的新しいことなのだ。

キューバでは、大学まで全ての教育費が無料だが、数年もの学業の末に弁護士となっても月に20~25ドルしか稼げない現実がある。こうしたことから、多くの人々が、この新たに手に入れた経済の自由を追求しようと試みている。

トリニダード出身の友人たちから成るこのグループは、カルリトさんの家屋の居間を、この100年の歴史を持つ都市でもっとも刺激的なバーにわずか15日で変えてしまった。

大学時代からの知り合いであるライハンさんとカルリトさんは、このプロジェクトを立ち上げた。「ある日カルリトの家に行ってこう言ったんだ。『おい、ここはバーにしたらよさそうな場所じゃないか?』ってね。『いいね、やろう』って彼は答えたんだ。」

「それで早速着手したんだ。バー作りに必要なものはなにもなかった。カネもレコードもなかった。見つけられるもので作り始めたんだ。」とライハンさんは誇らしげに振り返った。

カルリトさんの母親はすぐにこの考え方を支持し、20代前半のこの2人の若者に、自分の家の大半を提供した。

資本主義国ならばそれほど大きな事業には思えないかもしれないが、収入をあげ、経済体制に自由な形で関わる唯一の可能性が観光分野であるキューバのような場所においては、それは大事業であった。

Casa Particulares」と呼ばれるキューバ版「エアビーアンドビー」のような民泊で観光客を家に泊める人々がキューバに数千人いるのはこのためだ。

カルリトさんが場所を抑え、彼の祖母がテーブルや飾りを準備する一方、地元の芸術学校に通うローラさんが飾りつけで加わり、街中の多くのレストランで夜にミュージシャンとして働くライハンさんが開設資金を出した。フランス語を話す地元のイリエンさん(観光地として発達したこの街でフランス語を話せるのは大きな資産だ)が最後にこのグループに加わり、自称「最高の4人(=ファンタスティック・フォー)」がここに集結した。

事業計画も、着手資金も、保証も存在しないが、トリニダードで前例のない場所を作りたいとの夢だけがあった。彼らは、いつの日かこのバーを、将来をめざすアーティストやミュージシャンが演技をすることができるような文化センターにすることを夢見ている。

プロジェクトを前進させるために、新規事業者を支援している国から資金を取ってくることもできた。しかし、自分たちの計画が成功するかどうか自信が持てなかったために、リスクを取ることを避け、自力で何とかしようと決めたのだった。

これまでのところ事業はうまくいっている。2016年11月25日、彼らは店の第一日目を迎えた。ライハンさんは、あらゆる意味で「記念の日」だと振り返る。「オープニング・パーティーを開こうとしていたら、突然大騒ぎが起こったんだ。偶然にも、バーを開いたのと同じ日にフィデル・カストロが逝去したんだ!」

4人の若い起業家たちは、扱いにくいキューバの官僚機構のような難題に常に直面している。例えば、役所はバーの営業許可を現在出していないため、彼らは、やむを得ず、納税額がはるかにり高くつく食堂経営で申請せざるを得なかった。

時には、役所の職員がこっそりとバーを訪れて、客がどれだけいるか、払うべき税金に見合っているかを調査する。その日が、たまたま客の入りがいい日だったとしても、それによって、税金が現在よりも高くなることがあり得る。

障害は多いが、ビジネスはうまくいっている。おそらく、成功の秘訣は、彼らが、ほとんどのキューバ人が何十年もうまく続けてきたやり方を取っていることにある。つまり、臨機応変にやること、どんな状況でも精一杯やりくりするということだ。

「マジシャン」を意味する、バーの名称「El Mago」の看板に関しても、臨機応変さが必要だった。

トリニダードが世界文化遺産であるがゆえに、コロニアル風の邸宅の壁に新たに看板を掛けることが法律上認められていなかったのだ。

そこで、彼らはいつものように、この難問に対処する創造的な方法を見出した。毎日、カルリトさんがバーに出勤する際に、バーの名前が大書されたスーツケース(記事上の写真参照)を持ち歩き、そのかばんを「看板代わりに」ドアにかけるのだ。

何十年にわたってより良き将来を求めてキューバを離れていった多くの人々にとってのシンボルであるスーツケースが、この4人の若い起業家たちの運命を決めることになるかもしれないとは、なかなか皮肉なものだ。(10.15.2017) INPS Japan/ IDN-InDepth News 

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