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SDGs for All

SDGs for All is a joint media project of the global news organization International Press Syndicate (INPS) and the lay Buddhist network Soka Gakkai International (SGI). It aims to promote the Sustainable Development Goals (SDGs), which are at the heart of the 2030 Agenda for Sustainable Development, a comprehensive, far-reaching and people-centred set of universal and transformative goals and targets. It offers in-depth news and analyses of local, national, regional and global action for people, planet and prosperity. This project website is also a reference point for discussions, decisions and substantive actions related to 17 goals and 169 targets to move the world onto a sustainable and resilient path.

|チリ|より公正な社会を求める木曜日

【サンチアゴIDN=ピア・フィグエロア】

チリの学生らは2011年以来、自由で良質な教育制度を要求して、毎週木曜に街頭に繰り出してきた。

こうした学生たちに、ラテンアメリカ全体で最も高い学費に悩まされている親たちや、教育キャリアの適切な評価を求める教員らも、徐々に抗議の輪に加わるようになってきている。

そして、事実上この5年間、毎週木曜日になると、こうしたデモ隊の抗議活動は放水砲や催涙ガスを用いた警察当局による弾圧を受けて、それが不幸な事故につながってきた。

現政権は、民衆を満足させる適切な対話を打ち立てられないまま、主要な教育改革の一環と見なされるいくつかの立法を行ってきた。ミシェル・バチェレ大統領はこれを「歴史的な」変革だと見なし、税制改革や年金制度改革、選挙制度改革、同性パートナシップ制度・中絶の権利などの市民的自由の領域における改革と並んで、自らの「遺産」のひとつと考えているようだ。

遠目から見ると、それは意味のある行動のパッケージのようにみえる。それは、チリの教育・経済・政治の基礎を変革してアウグスト・ピノチェト時代からの古いシステムを廃棄することをめざす立法提案である。他の取組みは、南米地域で最も保守的な国のひとつであるチリを近代化することを目指した社会変化を前進させようとしている。

しかし、おそらくは、民衆からの継続的な要求に耳を貸さず、密室で提案をまとめようとする政権のスタイルと形態のために、これらの提案のいずれも、合意や前進、よりよい将来といった感覚を民衆にもたらしていない。それどころか逆に、内閣支持率や大統領への支持率は一貫して低落傾向にある。バチェレ大統領への支持率は、チリ政府始まって以来の低率となっている。

バチェレ大統領が提案し2014年9月に施行された租税改革は、主に、教育制度の財源に変更を加えることを目的としたものであった。チリ政府は、国民総生産の3%にあたる83億米ドル分の増税を2018年までに行い、そのうち50億ドルを教育に割り当てようとしたのである。

しかし、法人税が増税され、個人向けの税が減税され、アルコール・砂糖入り飲料・大気汚染をもたらす乗用車の排出に対する付加税が創設され、租税回避に対処するメカニズムが作られたものの、経済はそれ以降減速し勢いが失われた。

今年、2016年10月、チリでは地方議員や首長を選ぶ選挙が行われる。これは各政党勢力を把握するための指標となり、改革後初の国政選挙が行われる2017年に向けての試金石となる。

これらの選挙では、下院議員の数が120人から155人に、上院議員の数が38人から50人に増員される。またこの選挙から候補者の少なくとも4割が女性であることが要件とされ、議会におけるジェンダー平等の強化が目指される。

 

おそらく、これらの変化は、ピノチェト独裁時代に形成された規則や標準に則って依然として統治されている国会ではなかなか声を聴いてもらうことができなかった新しい政治集団や院外勢力の強化に余地を与えることになるだろう。

「暗い時代」からチリが保持しつづけてきた全ての法的実情を打破することは、文化的保守主義との闘いでもあった。同性愛を犯罪化する法が廃止されたのは1999年のことであり、同性間のシビル・ユニオンが認められたのはようやく2015年になってのことである。

しかし、いわゆるシビル・ユニオン合意(AUC)では、数年前に類似の法律を通過させた隣国のアルゼンチンウルグアイに後れを取ることになった。というのも、AUCは、法的な意味で資産を共有し、遺産や年金を受け取り、医療制度の利益を共有することをカップルに認める一方で、養子をとる権利を認めていないからだ。

市民的自由の領域では、中絶が今年に入ってようやく合法化された。ただし中絶が認められるのは、母親の生命に危険が及ぶ場合やレイプによる妊娠、そして、胎児の生存可能性がない場合の3つの場合に限られている。チリが、中絶がいかなる状況においても禁止され、タブーであり続けてきた世界でも数少ない国であったことを考えると、これは前進といえる。しかし、女性運動が中絶の問題を自らの身体に関する自己決定権であるとして要求しているレベルにははるかに及ばないものだ。

これらすべての改革によって、チリは国連の持続可能な開発目標(SDGs)に向かって前進していると言うこともできよう。また実際、そうなのだろう。

たしかに、チリはクリーンエネルギー源(太陽光、風力、地熱、小規模水力など)に向けてエネルギー構成を多様化し、エネルギーの効率化も進めている。イノベーション、海水の脱塩化、天然資源の効率的利用、砂漠化や気候変動への対応も、環境への高まる意識という文脈の中で遂行されてはいる。しかし、これだけでは不十分だ。

今日、チリの人々は社会変革を強く望んでおり、教育制度の大幅な変革をもって今の時代に区切りをつけたいと考えている。教育制度は、より平等な社会を目指すうえで基盤となるものと理解されているからだ。

教師からの要求の線に沿った教育キャリアが提案されている。それは、教師の声に耳を傾けることもなく、恣意的に教師を制限しようとする教育省によって課せられたやり方とは異なるものだ。教師らは、新たな教育キャリアに異議を申し立てる全国的な動きを組織し、大規模抗議の証として全土の学校で警鐘を鳴らし続けている。

チリの人々は、政府に対して、あらゆる社会階層のなかで生み出された社会的不平等と不満に終止符を打つよう望んでいる。

経済協力開発機構(OECD)が2015年11月末に「チリ経済調査2015」を発表したことはほとんど知られていない。この調査報告書にはチリが世界で最も不平等な国々に含まれることを示した、収入分配に関する最新の調査結果も含まれている。2006~11年にかけてのジニ係数は0.503であり、トルコやメキシコに並んで悪かった。ジニ係数は、一国の不平等さを測定する際に最もよく使われる指標である。

このOECD報告書は、最富裕層10%が最貧層10%の26.5倍の富を有し、OECD加盟国平均の100%を超えているチリに対し、より包摂的な経済成長を目指すように求めている。

これは受け容れがたい貧富の格差であり、彼らが毎週木曜にそうしているように、教育制度や年金制度に抗議するために民衆が街頭に繰り出す時、彼らが本当に訴えているのは、全ての人々が発展する機会を持ち、進歩が全ての人々の利益になるような、包摂的で公正な社会なのである。(08.15.2016) INPS Japan/ IDN-InDepthNews

※ピア・フィグエロア氏は、プレセンサ・インターナショナル・プレス・サービスの共同代表。生涯の人文主義者、多くの論文・書籍の著者。

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