【ポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)IDN=P・I・ゴメス】
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長がいうところの、世界が瀕している「悲惨な道徳的失敗の危機」は、「株主利益を優先して人間を後回しにする」無慈悲な原則に、その思想的な根拠を容易に見て取ることができる。
極端な不平等が広がる21世紀の世界だが、それほど「悲惨」な響きを持つ必要はない。事務局長が警告した危機の起源は、動植物や人の命を改善/救済するために、よく研究された製品を提供すると考えられている多国籍巨大製薬企業が、歴史的に行ってきた支配的な慣行にあるのだ。